2010年3月16日火曜日

日経の電子新聞について

日経新聞にはブランド力がある。僕自身は日経の講読を2年間続け、毎朝日経を読んでいたが、経済はこの新聞から学んだし愛着もある。この一年は、金融や経済の記事で納得がいかないことも多く、コストもかかるため、日経新聞4500円を払うより、ネット(google readerによるnewsとブログの閲覧)+ダイヤモンド(380*4)の購読をすることを選択した。ブログでは投資に関する記事は豊富で、マンキューやテイラーの記事を毎日読むこともできるし、海外のニュースは他のメディアからも得られる。経済を勉強するには新聞よりブログのほうが役に立った。旬な話題はダイヤモンドで詳しく読める。

以前のメディア業界は終わったと言われているが、日経新聞はブランド力が非常に高く、実際記事の質もそこそこいいと思う。このブランド力を生かして経営すれば売上を伸ばすことができると思う。

ただ月額4000円で、紙媒体とセットの場合は5300円という価格ではうまくいかない気がする。

インターネットをうまく利用した業務はしていないからだ。今までと同じ価格帯ということは今までと同じ経営をして同じコストだけど発信する方法はネットにしようという考え方だ。

紙の上では、紙で情報を読む層とネットで情報を読む層があり、最近の売上の減少は後者の層が増えたからでネットでも見れるようにすれば売上は回復する。そういう読みなのだろう。ネットへの拡張の際も外注してネットの利用者を獲得してコストを回収するつもりだろう。
それだけではうまくいかない。
ネットで情報を読む層が増えたのでなく、ネットで有益な情報がもっと安価に手に入るから売上が減っているのだ。だからただ同じものをネットで配信してもはやらない。

僕が日経新聞に可能性があると感じるのは、
・日経新聞には強いブランド力がある。
・今までと同様のコンテンツをインターネットを利用した業務の流れを利用することでコストを劇的に下げれる
・情報を配信するだけでなく加工したり検索しやすくする機能を追加することで価値を増やせる
からだ。

まず、強いブランド力があれば同じことをしても勝てる。日経を読むこと自体が常識でそこから会話が生まれることもよくある。一面の記事がなにか知るためだけでも月1000円くらいケチな僕でも払える。他の有料サービスと同じことを展開しても勝てる。例えば、以前の生活面に乗っていた記事が現在ほかの個々のサイトに分散して広告費と読者を失っているが、他の個々のサイトと全く同じサービスを今からしても日経新聞のブランド力があればまだまだ勝てるチャンスはあると思う。

二つめに、さまざまな業務改善ができる余地がある気がする。インターネットがあることで記事を書く場所とチェックする場所はどこでもよい、携帯でも記事は書ける。どのような記事が好まれるか判定することもできるので、どの層にどのような反響があったか判定しそれを記事を書く人や記事自体の評価にできる。そもそも日経の一部の記事を読むことが販促になり、新聞を届けたり新聞を発行するコストは減る。すぐにはどのようなプロセスがよいか分からないが、ゼロベースでプロセスを変えることができれば今までのコストを抜本的に変えるプロセスがありそうな気がする。

三つめは、日経新聞を検索したい、検索した情報を簡単にブックマークしたり、コメントを残したいと考える人は多いような気がする。他のサービスを利用して情報を残すこともできるが、日経新聞には強いブランド力がある。同じことをしても勝てるはず。ただ情報を発信するだけでなく、ネットでいかに便利に情報を収集できるか極める必要がある。

まだまだお金があるんだから、はてなのようなインターネットを検索してコメントを残すことができる企業を買収して、その部門を重要な部門と位置づけることができれば日経新聞はネットのメディア企業として復活すると思う。ただネットの拡張を外注するだけではダメだと思う。サービスのちょっとした改善ができないから。

月額2000円で読み放題、プラス500円で情報の加工と検索ができる、プラス500円で紙媒体もタダでコンビニでもらえる、プラス1000円で家まで紙媒体が毎日届く。利用者は600万。日経新聞は好きだからこんな企業になってほしい。

ただインターネットの勝者はひとり。ひとりがすごく儲かり、ふたりめ以降はだんだんあまりおいしくなくなる。業界としてはやはりまだまだ寡占化(小さい企業の倒産)が続く業界なのだと感じる。

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